2002年にMIT(マサチューセッツ工科大学・米国)で生まれた「FabLab(ファブラボ)」は、世界中にネットワークを広げている。
「Fab」は「Fabrication(ものづくり)」と「Fabulous(素晴らしい)」という2つの言葉が組み合わされた造語だ。大量生産ではなく、個人的なものづくりや多品種少量生産型デザイン(パーソナル・ファブリケーション)の可能性を広げるための実験的な市民工房として作られた。基本理念は「ファブラボ憲章(Fab Charter)」としてまとめられており、パブリックアクセス(一般公開)や、基本機材を揃えること、などが掲げられている。
ファブラボに設置される機材にはカッティングマシン、刺繍ミシン、レーザー加工機、3Dプリンタといったものがあり、いずれも、誰でも簡単に使えるか、というとそう簡単ではない。デジタルデータの準備が必要だったり、機器の出力調整などをするには何度もテストランが必要だったり。それらを1人でやるのは大変だが、「Do It With Others」という精神の重要性がうたわれ、機材・使用データ・成果物などの情報を共有しながら個人的なものづくりを進められるしくみとなっている。